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画像処理と心理学

画像処理 (Image processing) とは、画像に対して何らかの処理を施すことです。
処理の結果(出力)として画像を得る場合もあれば、何らかの記述を得る場合もあります。前者の例としては写真の明るさやコントラストを調整して見栄えが良い画像に変えることなどがあり(Instagramのフィルターなどが代表例でしょう)、後者の例としては平均輝度など画像の要約統計量を得ることなどがあります。
また、画像に写ったものが何であるかを識別する、といった事例も画像処理の応用例として挙げられますが、これは分野としてはコンピュータビジョンと呼ばれることが多いでしょう。

心理学研究と画像処理

心理学研究において画像処理技術は画像データの前処理や分析、また認知のモデルとして幅広く用いられています。

刺激画像の前処理:大量にある画像の輝度ヒストグラムを調整したり、画像のサイズを同じにするといった作業を自動で行う。他の例としては画像のノイズ除去や背景領域の除去など。

刺激画像の作成フーリエ解析を用いて画像を周波数成分ごとに分離したり、位相ランダマイズされた画像を作成する。写真から線画化された画像を作るなど。

心理データの分析:美的評価の高い写真に共通する画像要因を探る。物体や風景や質感のカテゴリ認識に関与する画像特徴を探るなど。

認知のモデル化:認知過程(特に視覚情報処理)を数理的に再現・シミュレーションする際に画像処理の手法が用いられることがあります。代表例としては視覚的注意のモデルである顕著性マップモデルや、顔認識における顔空間(Face space)モデルなど。

※ 深層学習が脳研究に取り入れられるようになったのも認知のモデル化の事例として挙げられるかもしれません。画像認識において代表的に用いられているネットワークとしてConvolutional Neural Network (CNN: 畳み込みニューラルネットワーク)がありますが、そこで用いられている畳み込みやプーリングといった処理は画像処理の手法そのものです。

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